【Tips】スキンテクスチャのススメ


表紙SSがピンクすぎて若干やらしい問題

というわけで、万年ぶりの記事更新です。
2016年ごろに書いたテクスチャTips関連の古い記事を一から書き直してかつ、複数に分けていた記事を一つにまとめました。

書き直したとは言っても内容構成そのものは変わらないので、情報としてはかなり今更です。かなり、今更です。
ですので、どちらかと言えばご新規さん向けの内容となっております。

発売から10年以上経過したゲームでご新規さん向けとはこれいかにですが、誰かしらのお役に立てれば幸いです。

各スキンテクスチャの名前と役割

まずは簡単にキャラクタースキンにおける各種テクスチャの解説をば。


Diffuse Map- ディフューズマップ

肌の質感や色味、ほくろ、静脈、体毛などを表現するテクスチャ。要は皮。
スカイリムのデータ内での名称は femalehead.dds , femalebody_1.dds など

 



Normal Map - ノーマルマップ

筋肉や骨による表皮の凹凸、立体感を表現するテクスチャ
スカイリムのデータ内での名称は femalehead_msn.dds , femalebody_1_msn.dds など

 



Specular Map - スペキュラマップ

肌のキメやツヤ、テカリ、物によっては汗や水濡れを表現するテクスチャ
スカイリムのデータ内での名称は femalehead_s.dds , femalebody_1_s.dds など

 



Subsurface Map - サブサーフェイスマップ

肌に入った光の表面下散乱……簡単に言うと肌の透明感や温かみを表現するテクスチャ
スカイリムのデータ内での名称は femalehead_sk.dds , femalebody_1_sk.dds など

 

おおむねこんな感じでしょうか。
いまや色んな種類のスキンテクスチャMODがスカイリムにはありますが、必ずしも一つのMODをオールインで導入する必要はなく、
ご自身のキャラクター造形の方向性に合わせて、例えばディフューズはお肌が綺麗なAというMODから、ノーマルマップは掘りの浅い顔が作れるBというMODから、
ってな感じで組み合わせていくのも面白いです。私なんかはもう組み合わせ過ぎてわけわからんことなってます。

テクスチャ圧縮のススメ

スキンテクスチャはモノによっては無圧縮かつオリジナルの編集ファイルそのままの解像度で配布されているものもあり、
それをそのままキャラクターに使用するとゲームに非常に負荷がかかります。
描写頻度も人数も必然的に多くなるNPCに適用するテクスチャ(バニラ環境ではプレイヤーと共用ですが)には特に気を配った方がよいです。

そこで行うのが、テクスチャの圧縮および解像度の引き下げによるテクスチャ容量の削減です。なるべく見た目を損なわない範囲で。
この項目では各スキンテクスチャの最適な解像度と圧縮形式の 目安 を解説していきたいと思います。

  • テクスチャ編集ソフトの導入

何をするにもまずはテクスチャ、DDS形式のファイルを編集できるソフトが必要です。
私はもっぱら paint.net というフリーソフトを使っています。
デフォでDDSが扱える上、圧縮後のテクスチャの品質も申し分ないので、ベストな選択だと思われます。

  • 作業の大まかな流れ
とりあえず編集前のオリジナルをバックアップしておく

paint.netを開く

編集したいテクスチャをドラッグ&ドロップして読み込み

画像タブから”画像サイズを変更”をクリック

サイズ変更の窓が出るのでピクセル数を下記の表を参考に変更

ファイルタブから”名前を付けて保存”をクリック

圧縮形式などを選択する窓が出るので、こちらも下記の表を参考に選択

保存、終了!
  • 推奨解像度 および 圧縮形式 一覧

まず大前提として、LEではBC7で圧縮したテクスチャは使えません。
そして、ノーマルマップは基本的に無圧縮(R8G8B8)もしくはBC7圧縮(SE,AEのみ)じゃないと問題が発生します。
BC7は削減できる容量の割に劣化が少ない優秀な圧縮形式なので、SE(AE)環境であればディフューズに関してはBC7で圧縮することを個人的にはおススメします。

劣化云々よりもできるかぎり容量を削ってゲーム負荷を下げたい場合は、圧縮率が最も高いDXT1で。
BC7が使えないLEや、SE(AE)においてもスペキュラやサブサーフェイスなんかはDXT1でいいと思います。

テクスチャの解像度はPCスペックと応相談で、お好みでいいんじゃないでしょうか。
2kを基準として、4kはその4倍の負荷増、8kは16倍の負荷増ってことは念頭に置きつつ、負荷軽減を優先するのか見た目を優先するのかで決めていいと思います。
追加種族やスキン管理MODなどでプレイヤーとNPCのテクスチャが分離している場合、前者は高解像度、後者は低解像度ってな感じで分けるのも良いです。

ただ主観としては、プレイヤーであってもディフューズとスペキュラは4kもあれば十分、ノーマルマップは2k、
サブサーフェイスに至っては解像度の違いなんてわからなさそうなので1kか512でいいのではないかと考えます。
ちなみに私環境では8kテクスチャはどのキャラでも使っておりません。負荷云々もそうですが、他のテクスチャからの移植の兼ね合いもあって使えないという......
ここ2年くらいの私のSSを見ていただければ、そういう基準で圧縮したテクスチャを使用したキャラがどんなもんか、少しは参考になるかもしれません。

以下、一覧表です。
※ぶっちゃけ使い分けが面倒くさかったら、SE(AE)環境の場合はもう全部BC7圧縮でいいです。

テクスチャ - 顔解像度圧縮形式
femalehead4096 or 2048LE - DXT1 SE(AE) - BC7
femalehead_msn1024LE - R8G8B8 SE(AE) - BC7
femalehead_s2048 or 1024DXT1
femalehead_sk1024DXT1

 

テクスチャ - 体解像度圧縮形式
femalebody_14096LE - DXT1 SE(AE) - BC7
femalebody_1_msn2048LE - R8G8B8 SE(AE) - BC7
femalebody_1_s4096 or 2048DXT1
femalebody_1_sk1024DXT1

 

テクスチャ - 手解像度圧縮形式
femalehands_11024LE - DXT1 SE(AE) - BC7
femalehands_1_msn1024LE - R8G8B8 SE(AE) - BC7
femalehands_1_s1024 or 512DXT1
femalehands_1_sk512DXT1

テクスチャ移植のススメ

色んなテクスチャを試していると「基本的にはAだけど、〇〇の部分だけはBのほうがいいなぁ」と思うことがあります。
ここからはそんな悩みを解決するための、愛用のスキンテクスチャに別のスキンの特定の部分だけを移植、合成する方法のひとつを解説していきます。

ってことでまずは圧縮の項目で紹介しましたpaint.netで、ベースとなるテクスチャと、移植したいパーツのあるテクスチャをそれぞれ開きましょう
今回は例として、自キャラの一人であるミナの顔スキンのベースとして使っているFair Skin Complexion(以下FSC)のv7.6と、移植元として使っているv10.0で解説していきます。

なお顔のディフューズを使い説明していますが、ノーマルマップ、ボディテクスチャでも基本的に作業は同じです。

※画像クリックでポップアップ表示

どちらも一切編集していないオリジナルそのままの状態です。
ここから、ベースであるv7.6にv10.0の目周辺を移植していこうと思います。

  • 手順1

まず移植したいv10.0の目周辺をツールバーからの四角選択で囲い、コピーします。
その後、編集テクスチャをv7.6側に切り替えて新規レイヤーとして貼り付けてください。Ctrl+Shift+Vの同時押しです。
※移植元のテクスチャと移植先のテクスチャとで 解像度を同じ にしていないとコピペしたテクスチャにズレが発生するのでご注意ください。

 

  • 手順2

コピペしただけだと移植元と移植先とのテクスチャの境目が目立つので、次はこの境目を慣らしていきます。
コピペしたレイヤーを選択していることを確認した後、ツールから消しゴムを選択し、ウィンドウ上部に表示される硬度を0%にまで下げてください。
0%にすることで消しゴムで消した部分がボヤけ、下のレイヤーと馴染みやすくなります。
そしたら移植したい目(より正確には二重と涙袋)だけが残るように、それ以外の部分を消しゴムで丁寧丁寧丁寧に消していってください。

 

  • 手順3

境目がほとんどわからなくなるくらいまで消したら、ここで一度レイヤーウィンドウ下部からレイヤープロパティを表示→ブレンドモードを乗算にしてみましょう。
移植元のテクスチャの色が濃くなり視認しやすくなるので、消し残しがないよう(わりと四隅が残ってたりする)にここで仕上げましょう。
仕上げが終わったら再度、ブレンドモードを通常に戻します。

もしこの時点で「まだちょっと境目が目立つ気がする……」と感じるようでしたら、
先ほどと同じくレイヤープロパティを表示し、不透明度をデフォの255から230~200程度にまで下げてみましょう。
すると移植テクスチャがやや透けて下のレイヤーとより馴染むようになります。

不透明度を下げ過ぎると移植する意味がほぼなくなっちゃいますので、意図的でない限りは下げても200くらいに抑えておいたほうがいいと思います。
透明度弄ってもまだ境目が気になる場合、移植するテクスチャの明るさを上げるor下げるで調整すると上手くいくかもしれません。

 

  • 完成!

移植作業はこれで完了となります。見比べてみましょう。
左が元々のFSCv7.6、右が移植作業後のそれです。だいぶ自然になりましたね。
こんな感じで気に入ったパーツを愛用のテクスチャに移植していくと、さらにキャラメイクの幅が広がるというか沼が深くなります。

ちなみに、顔と体で異なるスキンMODのディフューズorノーマルマップを使用した場合に起こりがちな、
肌の質感や色見が違うせいで首の境目がくっきりしてしまう問題も、顔テクスチャ下部の首周辺を移植してあげることで解消することができます。

 

  • 注意点!

あとはこれをDDSファイルとして既存のテクスチャに上書き保存(出力時にレイヤー結合するかどうか聞かれるので”はい”で)するだけなのですが、ここでひとつ注意点です。

テクスチャは圧縮を繰り返していくとその度に劣化していきます。
ネットの海を漂う、何度も何度もJPG保存されてガビガビになった画像……はちょっと極端ですが、例えるならアレです。

つまり、今回作成したテクスチャに後々さらに別のパーツも移植したい!となった場合、
そのテクスチャを読み込み→作業→保存すると、最初に作成した物からさらに品質の劣化したテクスチャが出来上がってしまうのです。
数回程度なら目に見えてと言うほどの劣化ではないかもしれませんが、長きに渡りこれを繰り返していくと、
元々のオリジナルと比較して明らかに劣化(編集上でもゲーム内でも視認できるレベルの)したテクスチャとなってしまいます。ちなみに実体験です(笑)

ということで、一通りの移植作業を終えたらテクスチャをDDS出力――するより先に、paint.net専用形式であるPDN形式で出力しましょう。.pdnって拡張子のファイルができると思います。
これはフォトショで言うところのPSDファイルと同じで、各レイヤーの編集状態をそのまま丸ごと保持、保存している作業ファイルです。

オリジナルのテクスチャレイヤーと結合前の移植パーツのレイヤー諸々がそのままの状態で保存されるので、後々に別のパーツを移植したい、あるいは変更を加えたい、逆にオリジナルに戻したい場合でもすぐに作業開始できる上、毎回オリジナルを編集することになるので度重なる保存による劣化を回避することができます。
当然ですが、PDNファイルは基本的にpaint.netでしか開くことができないのでご注意ください。

  • 一例 - ミナ・ハーカーの場合

おまけ項目です。別に見なくてもいいです。
解説では簡単にディフューズの目の部分だけの移植だったので、他のパーツやノーマルマップなども移植した例として
うちのミナの作業レイヤーと、移植前移植後のビフォーアフターSSを載せておきます。

ボディの方は移植パーツが多すぎてレイヤー全部載せれませんでした。
あと絵的にもそうですがレイヤー名がちょいちょいセンシティブでご容赦。

 

 

  • 大改造!劇〇ビフォーアフター

ベースとなっているFSCv7~などの純正テクスチャを使用したミナと、そこから移植パーツを合成したカスタムテクスチャを使用した場合の比較SSです。

画像クリックでポップアップ表示後、←→キーで画像切り替えできますので、見比べてみてください。
撮影環境はまったく同じ状態でございます。良し悪しはさておいて、こうして比較すると違いが一目瞭然ですね。

 

こんな感じでテクスチャをカスタムしていくことで、自分のキャラクターがより理想に近づき、より独自性が高まると思います。
この記事が皆様のキャラクター作りの一助になれれば嬉しい限りでございます。

ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

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